同じ商品でも、どのカテゴリに置くかで隣に並ぶ競合が変わります。大手との正面衝突を避けて、空いている売り場を選ぶ考え方を解説します。

結論:何を作るかは変えられないが、どこに置くかは選べる

デリバリーアプリには、和食、中華、丼、ラーメン、バーベキューといったカテゴリがあります。ここで見落とされがちなのが、「作るもの」と「売り場」は別だということです。

丼を作っているからといって、丼のカテゴリに置かなければいけないわけではありません。調理法や世界観によっては、別のカテゴリのほうが合うこともあります。そして、どのカテゴリを選ぶかで、隣に並ぶ競合がまるごと入れ替わります。

ここを「うちは丼だから丼」と決めつけてしまうと、大手がひしめく激戦区に自ら並びに行くことになります。

株式会社8Deliciousの関根和樹です。17歳から飲食の現場に立ち、今も自分の店を経営しながら、厨房を持つ事業者の支援をしています。

こんな方に向いています

✅ カテゴリを何となく選んで登録した

✅ 出しているのに、そもそも見てもらえていない気がする

✅ 大手チェーンと並んで、価格で負けている

✅ これから出店するので、最初から間違えたくない

カテゴリは3つの軸で整理する

アプリのカテゴリは数十個あります。全部を気にする必要はありません。次の3つに分けて考えると、使う売り場だけが残ります。

軸1:料理のジャンル

和食、イタリアン、中華、韓国料理、バーベキューなど。「自分の料理がまさにそれ」というときに使う売り場です。

軸2:商品の形

丼・ご飯もの、麺、パン・軽食、揚げ物、スイーツなど。ここが売り場の候補を出すときの土台になります。

軸3:掛け合わせるタグ

ヘルシー、朝食、ご当地、コンフォートフードなど。メインの売り場ではありませんが、競合が薄いタグを取れると、思わぬところから見つけてもらえます。

売り場を決める4ステップ

ステップ1:自分の商品の「形」を確定する

丼なのか、麺なのか、弁当なのか。ここは事実なので動かせません。

ステップ2:出せる売り場の候補を書き出す

形から考えて、置けそうなカテゴリを複数あげます。調理法(炭火、直火、窯焼き)や世界観から、別の売り場が候補になることもあります。

ステップ3:候補ごとに競合を数える

自分の商圏でアプリを開き、その売り場に何店並んでいるかを数えます。あわせて、大手が店頭と同じ価格で並んでいないかも確認します。

ステップ4:一番空いている売り場を選ぶ

競合が少なく、大手が価格で殴り込んでいない売り場を選びます。同じ商品でも、置き場所を変えるだけで、比べられる相手が変わります。

大手と同じ土俵に立たない

アプリの上位には、店頭と同じ価格で出している大手チェーンが並ぶことがあります。この売り場で価格勝負をしても、体力の差で勝てません。

商品は同じまま、売り場だけをずらす。これが、小さな事業者が取れる現実的な戦い方です。

売り場は後から変えられる。ただし初期は真剣に

カテゴリは、出店後でも変更できます。2〜3週間出してみて、注文が入らなければ移せばいい。

ただし「後で変えられる」を、最初を雑にやる理由にしないでください。初速が悪いと、レビューも溜まらず、移した後もハンデが残ります。真剣に選んで、ダメなら早めに移す。この順番が正解です。

私の実例:丼を、丼以外の売り場に置く

私は自分の店で、炭火で焼いた肉を使った丼もののデリバリーを設計しました。

商圏のアプリを開いて確認すると、丼やステーキの売り場には、大手チェーンが店頭と同じ価格で並んでいました。ここで正面から価格勝負をしても勝ち目はありません。

そこで、商品はそのままに、炭火で焼くという調理法を軸にした別の売り場を選びました。同じ商品でも、隣に並ぶ相手が変わり、価格を上乗せしても選ばれる状態を作れます。

そのうえで利益の設計をやりきり、貢献利益率約45%を確認しました。食材原価・梱包費・プラットフォーム手数料をすべて差し引いた後の数字です。本業のスタッフが空き時間に対応したため、追加の人件費は発生していません。

1食の価格1食あたりの貢献利益(45%)1日30食月の貢献利益(30日)
1,000円450円13,500円約40.5万円
1,500円675円20,250円約60.8万円

※貢献利益率45%、追加の家賃・人件費ゼロを前提にした試算です。1日30食は、1件5〜10分として合計3〜4時間ほどの作業量になります(仕込みを前倒しした場合)。実際の利益は、価格・原価・手数料の条件によって変わります。

よくある質問

Q. 複数のカテゴリに出せますか?

サービスによって、選べる数や条件が違います。ただ、あれもこれもと広げるより、一番空いている売り場に集中するほうが効きます。

Q. 競合の数はどう数えるのですか?

自分の商圏でアプリを開き、その売り場を上から順に見ていくだけです。数分で終わります。時間帯によって並び順が変わるので、何回か見てください。

Q. 選んだ売り場が合っていたかは、どう分かりますか?

2〜3週間出して、見られた数と注文数を確認します。見られてもいないなら、売り場か商品名が合っていない可能性が高いです。

Q. 売り場を変えると、評価はリセットされますか?

基本的に店舗の評価は残ります。ただし仕様はサービスによって異なるので、変更前に確認してください。

まとめ:商品は変えずに、置き場所を変える

✅ 「作るもの」は動かせないが、「売り場」は選べる

✅ カテゴリは、ジャンル・形・タグの3つの軸で整理する

✅ 形から候補を出し、競合を数えて、一番空いた売り場を選ぶ

✅ 大手が同じ価格で並んでいる売り場は避ける

✅ 後から変えられるが、初速が大事なので最初は真剣に選ぶ

同じ商品でも、置き場所ひとつで見られ方が変わります。価格を下げる前に、売り場を見直してみてください。

8Deliciousでは、商圏の競合状況を一緒に見ながら、売り場を決めるところから支援しています。お気軽にご相談ください。

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関根和樹(株式会社8Delicious 代表取締役)
17歳から飲食の現場に立ち、飲食店経営とコンサルティングに従事。5年で139名の事業者を支援。自身の店で遊休厨房を使ったデリバリーを実証し、貢献利益率約45%を確認。
主な事業:コンサルティング/飲食業/弁当事業/ケータリング事業/広告運用事業/不動産事業

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