件数を増やすと手が要りますが、1件を厚くするのに手はほとんど要りません。オプション・セット・金額連動の3つで客単価を上げる方法を解説します。

結論:件数を増やすより、1件を厚くするほうが楽

売上を伸ばす方法は2つしかありません。件数を増やすか、1件の単価を上げるかです。

この2つは、必要な労力がまったく違います。件数を増やせば、その分だけ作る手間が増えます。人を雇う話にもなります。一方、1件を厚くするのは、追い肉を乗せる、小鉢を付ける、といった数秒の作業です。手はほとんど増えません。

つまり、今の人数のまま利益を伸ばしたいなら、まず単価から手をつけるべきです。

株式会社8Deliciousの関根和樹です。17歳から飲食の現場に立ち、今も自分の店を経営しながら、厨房を持つ事業者の支援をしています。

こんな方に向いています

✅ 注文は入るが、単価が低くて利益が薄い

✅ 件数を増やしたいが、これ以上は手が回らない

✅ オプションやセットを用意していない

✅ 人を雇わずに売上を伸ばしたい

手法1:オプションを取りこぼしなく用意する

本体を選んだ流れで、数秒の作業で乗せられるもの。ここが一番効きます。

主役を増やすオプションを必ず置く

「追い肉」「大盛り」など、主役そのものを増やすもの。単価の上がり幅が一番大きいので、看板オプションとして置いてください。

原価の軽いちょい足しを複数用意する

温玉、薬味増し、特製ダレ。金額は小さくても、付ける人が多いので積み上がります。選択肢が少ないと取りこぼします。

無料と有料を分ける

満足度を上げるための無料オプション(辛さの調整など)と、単価を上げるための有料オプション。役割を分けて設計します。

出す順番を考える

本体を選んだ直後に表示されるように並べます。会計の直前に出しても、もう決めた後です。

手法2:セットとサイドで1注文を厚くする

本体とは別のカテゴリのものを、ついでに買ってもらう方法です。

原価が軽くて満足が上がるものを揃える

スープ、小鉢、キムチ、ナムル。手間が少なく、届いたときの満足度が上がるものが向いています。

ドリンクは利益率が高い

原価率が最も低いので、付けてもらえるだけで利益が乗ります。置いていない店は、まず追加してください。

セット商品を作る

単品をバラバラに買ってもらうより、セットにしたほうが1注文が厚くなります。特に、複数人で食べる需要(家族、宅飲み)を狙う場合、セットは強い武器になります。

セットは「単品合計よりお得に見える」ことが大事ですが、組み方を間違えると利益が消えます。必ず、セット全体で貢献利益が残る形にしてください。

手法3:金額連動のプロモーション

「2,000円以上のご注文で200円オフ」のような仕掛けです。

これは「集客の値引き」とは別物

無条件の値引きは、自分の利益を削るだけです。一方、金額連動は、お客様がもう1品足す理由になります。結果として客単価が上がるので、意味がまったく違います。

閾値は、今の平均単価の少し上に置く

平均単価が1,700円なら、2,000円に設定する。「あと1品で届く」高さが理想です。高すぎると諦められ、低すぎると値引きするだけになります。

値引き分は必ず原価に入れる

200円オフなら、その200円は1件あたりの費用です。オプションで増えた分がこれを上回る設計になっているか、必ず確認してください。

松竹梅に力を入れすぎない

価格のグレードを3つ用意して、真ん中を選んでもらう設計はよく知られています。それ自体は有効です。

ただ、実感として「真ん中に誘導する工夫」に力を注ぐより、どのグレードが選ばれても横で積み増せるようにするほうが確実です。安いものを選ぶ人も、高いものを選ぶ人もいます。そのどちらにも、オプションとサイドは効きます。

私の実例:単価が上がれば、同じ件数でも利益は変わる

単価が上がると、同じ件数でも手元に残る額が変わります。私の店の貢献利益率約45%で計算すると、次のようになります。

1食の価格1食あたりの貢献利益(45%)1日30食月の貢献利益(30日)
1,000円450円13,500円約40.5万円
1,500円675円20,250円約60.8万円

※貢献利益率45%、追加の家賃・人件費ゼロを前提にした試算です。1日30食は、1件5〜10分として合計3〜4時間ほどの作業量になります(仕込みを前倒しした場合)。実際の利益は、価格・原価・手数料の条件によって変わります。

同じ30食でも、単価が500円違うだけで月に約20万円の差が出ます。件数を増やすより、こちらのほうが手をかけずに済みます。

なお、貢献利益率とは、食材原価・梱包費・プラットフォーム手数料をすべて差し引いた後に残る利益の割合です。私の場合、本業のスタッフが空き時間に対応しているため、追加の人件費は発生していません。

よくある質問

Q. オプションを増やすと、選ぶのが面倒になりませんか?

多すぎると逆効果です。主役を増やすもの1つ、ちょい足し3つ程度から始めて、付帯率を見ながら調整してください。

Q. セットは何品組み合わせるのがいいですか?

2〜3品が扱いやすいです。多いほど仕込みも複雑になるので、最初は少なく始めてください。

Q. 値引きすると、利益が減りませんか?

無条件の値引きは減ります。金額連動は、単価が上がった分で値引き原資を賄う設計なので、意味が違います。ただし、値引き額は必ず計算に入れてください。

Q. 単価を上げると、注文が減りませんか?

価格だけを上げれば減ります。オプションやセットで「払う価値がある」状態を作ってから上げるのが順番です。

まとめ:手を増やさずに売上を伸ばす

✅ 主役を増やすオプションを必ず置く

✅ 原価の軽いちょい足しを複数用意する

✅ ドリンクとサイドで、ついで買いを作る

✅ セットで1注文を厚くする

✅ 金額連動のプロモーションで、あと1品を促す

✅ 値引き額は必ず原価に入れて計算する

件数を増やすのは、人と時間が必要になります。単価を上げるのは、設定を変えるだけでできます。順番としては、まず単価からです。

8Deliciousでは、その店の商品に合わせてオプションとセットを設計しています。お気軽にご相談ください。

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関根和樹(株式会社8Delicious 代表取締役)
17歳から飲食の現場に立ち、飲食店経営とコンサルティングに従事。5年で139名の事業者を支援。自身の店で遊休厨房を使ったデリバリーを実証し、貢献利益率約45%を確認。
主な事業:コンサルティング/飲食業/弁当事業/ケータリング事業/広告運用事業/不動産事業

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