
仕出し・弁当屋の午後の厨房は、デリバリーの売上に変えられる可能性が高いです。
昼の配達が終わった後、厨房が空いていませんか?仕出し・弁当屋が追加の設備投資も人件費もかけず、
今ある厨房と食材でデリバリー売上を作る手順を、自社で実証した∞Delicious代表関根が解説します。
結論:午後の厨房は「1食目から黒字」の売上に変えられる
設備も、仕込みの技術も、容器の扱いに慣れたスタッフも、すでに揃っています。家賃や設備費は本業で払っているため、デリバリーのために新たな固定費はほとんど増えません。本業のスタッフが空き時間に対応すれば、追加の人件費も発生しません。つまり、1食目から利益が出る構造を作れます。
ただし、仕出しのメニューをそのままアプリに載せても、まず売れません。「1人前」「今すぐ」「手数料を払っても利益が残る価格」に作り直す必要があります。
株式会社∞Deliciousの関根です。
私は17歳から飲食の現場に立ち、この5年で139名を超える経営者の支援に関わってきました。自社でも遊休厨房を活用したデリバリーを実証しています。その経験をもとに、仕出し・弁当屋が空き時間を売上に変える手順をまとめます。
こんな仕出し・弁当屋に向いています
- 昼の配達が終わると、厨房とスタッフの手が空く
- 法事や会議の注文が減り、売上の柱をもう1本ほしい
- 新しい設備や人員にはお金をかけたくない
- 仕入れた食材を使い切れず、ロスが気になっている
一つでも当てはまるなら、読み進める価値があります。
仕出し・弁当屋がデリバリーでつまずく3つのパターン
1. 仕出しのメニューをそのまま載せる
仕出しは「予約を受けて、決まった時間に、まとまった数を届ける」商売です。一方、デリバリーアプリのお客様は「今食べたいものを、1人前で」探しています。
同じ料理でも、量・温度・見せ方を変えなければ選ばれません。折詰の構成をそのまま小さくするのではなく、「1人で食べて満足できる一品」として組み直すことが大切です。
2. 店頭と同じ価格で出す
デリバリーには、プラットフォームの手数料と包材費がかかります。これを計算に入れずに値付けすると、売れるほど利益が減っていきます。
手数料率は契約やプランによって異なるため、必ず最新の条件を各プラットフォームの公式情報で確認してから価格を決めてください。
3. 本業のピークとぶつける
仕出しの注文が集中する日にデリバリーの受付まで重ねると、現場が回らなくなります。本業を守ることが大前提です。デリバリーの受付時間は、最初に決めておきましょう
空き時間を売上に変える5つの手順
手順1:空き時間と人員を棚卸しする
曜日ごとに「厨房が空く時間」「その時間に動けるスタッフ」「使える設備」を書き出します。デリバリーの注文が入りやすい夕方以降と重なる時間帯が、最初の狙い目です。
手順2:今の食材で作れる1人前メニューを3〜5品決める
新しい食材を増やすと、原価とロスが膨らみます。今の仕入れで作れるものを選ぶのが基本です。揚げ物や煮物のように、仕込みを昼の空き時間に済ませられる品が向いています。
品数は少なく始めるほど、少人数でも回しやすくなります。
手順3:手数料と包材を差し引いても利益が残る価格にする
売価から「手数料」「食材原価」「包材費」を引いて、いくら手元に残るかを確認します。安さで勝負する必要はありません。「仕出し屋が作る本格的なおかず」という価値が伝われば、適正な価格でも選ばれます。
手順4:1食あたりの利益と、月の目標食数を決める
追加の固定費と人件費がかからない形で始めれば、損益分岐点を気にする必要はほとんどありません。考えるべきなのは、「1食でいくら残るか」と「月にいくら稼ぎたいか」です。そこから、1日の目標食数を逆算します。
手順5:小さく出して、2週間数字を見る
最初から全メニュー・全時間帯で出す必要はありません。少ない品数と限られた時間帯で始め、注文数、よく見られているメニュー、お客様の評価を確認します。そのうえで、写真や商品名、説明文を改善していきます。
私の実例:貢献利益率約45%、1日40食で月約80万円
私は自分の店でデリバリーを実証し、貢献利益率約45%を確認しました。貢献利益率とは、食材原価・梱包費・プラットフォーム手数料をすべて差し引いた後に残る利益の割合です。1注文あたりの追加作業は、実測で5〜10分でした。
ポイントは、本業のスタッフが空き時間に対応したことです。これで追加の人件費が発生しませんでした。家賃や設備といった固定費も新たに増えないため、1食目から利益が出ます。
試算すると、次のようになります。
| 1食の価格 | 1食あたりの貢献利益(45%) | 1日40食の場合 | 月の利益(30日) |
|---|---|---|---|
| 1,000円 | 450円 | 18,000円 | 約54万円 |
| 1,500円 | 675円 | 27,000円 | 約80万円 |
| 約20万円 |
※上記は貢献利益率45%、追加の家賃・人件費ゼロを前提にした試算です。実際の利益は、価格・原価・手数料の条件によって変わります。
1注文5〜10分なら、1日40食でも合計4〜7時間ほど。午後の空き時間で十分に対応できる量です。
大きな投資をせず、今ある厨房で月80万円前後の利益を目指せる。これが、遊休厨房を活用したデリバリーの一番の強みです。
よくある質問
Q. 今の営業許可のままで、デリバリーを始められますか?
許可の内容や、提供する品目によって異なります。始める前に、管轄の保健所へ確認してください。
Q. 夕方以降は人手がありません。
仕込みを昼の空き時間に済ませ、夕方は盛り付けと受け渡しだけにする設計が現実的です。品数を絞るほど、少ない人数でも回せます。
Q. 本業の仕出し注文に影響は出ませんか?
大口の注文が入っている日は、デリバリーの受付を止める運用にすれば、本業への影響を抑えられます。受付を一時停止する機能の仕様は、各プラットフォームの公式情報で確認してください。Q. どのデリバリーアプリから始めればいいですか?
エリアによって利用者数や手数料の条件が異なります。自社の商圏で使われているサービスを確認したうえで、まずは1つに絞って始めることをおすすめします。
まとめ:まずは「自社の厨房で何食作れるか」を知ることから
仕出し・弁当屋の午後の厨房は、使い方次第で新しい売上の柱になります。
- 追加の固定費・人件費をかけない形で始める
- 仕出しメニューではなく、1人前のデリバリー向けメニューに作り直す
- 手数料と包材を差し引いても利益が残る価格にする
- 小さく始めて、数字を見ながら改善する
この4つを押さえれば、1食目から利益の出るデリバリー事業を作れます。∞Deliciousでは、今ある厨房と人員を活用したデリバリー事業の立ち上げを支援しています。「うちの厨房で何食作れるか」「どのくらいの利益が見込めるか」を一緒に整理したい方は、お気軽にご相談ください。
▶ ご相談はこちらhttps://lin.ee/STXP23p
関根和樹(株式会社8Delicious 代表取締役)
17歳から飲食の現場に立ち、飲食店経営とコンサルティングに従事。5年で139名の事業者を支援。自身の店で遊休厨房を使ったデリバリーを実証し、貢献利益率約45%を確認。
主な事業:コンサルティング/飲食業/弁当事業/ケータリング事業/広告運用事業/不動産事業


