
| 売上は立っているのに、手元にお金が残らない。デリバリーで見るべきは売上でも粗利でもなく貢献利益です。1注文でいくら残るのかの考え方を、自店で実証した∞Delicious代表が解説します。 |
結論:デリバリーで見るべきは、1注文でいくら残るか
貢献利益とは、その注文を受けたことで実際に手元に残ったお金のことです。デリバリーの場合は、売価から食材原価・梱包費・プラットフォーム手数料を差し引いた金額を指します。売価に対する割合が貢献利益率です。
デリバリーで「売上は立つのに、なぜかお金が残らない」と感じる店の多くは、売上だけを見ていて、この1注文あたりの残りを見ていません。逆に、ここさえ設計できていれば、注文が増えるほど利益が積み上がります。
株式会社∞Deliciousの関根です。17歳から飲食の現場に立ち、今も自分の店を経営しながら、厨房を持つ事業者の支援をしています。この記事では、私が実際に使っている見方を説明します。
こんな方に向いています
✅ デリバリーの売上はあるのに、手元にお金が残っている実感がない
✅ 手数料を引いた後、いくら残っているのか把握できていない
✅ デリバリーを始めたいが、儲かるかどうかの判断基準がほしい
✅ 値付けを何となくの感覚で決めている
貢献利益の出し方
引くのは3つ
売価から次の3つを引きます。
- 食材原価 — その料理に使った材料の金額
- 梱包費 — 容器、フタ、袋、箸、タレのカップまで含めた金額
- プラットフォーム手数料 — 注文ごとにかかる手数料
残った金額が、その1注文の貢献利益です。
梱包費を入れ忘れない
一番多い抜け漏れが梱包費です。容器だけを数えて、フタや袋、箸、タレのカップを忘れるケースがよくあります。1件あたり数十円でも、月に何百件と積み上がると無視できません。実際に1件分をテーブルに並べて、全部の金額を足してみてください。
家賃と人件費を引かない理由
貢献利益では、家賃や人件費は引きません。
遊休厨房を使うデリバリーは、「すでに払っている家賃」と「すでにいるスタッフの空き時間」で回す前提だからです。デリバリーをやってもやらなくても、この2つは同じだけかかります。だから、注文ごとの判断には含めません。
ただし、この前提が崩れる場合があります。人を新しく雇ったり、残業が増えたりしたら、そのぶんは別に引いて考える必要があります。判断の分かれ目は「今いる人の空き時間だけでさばけているか」です。
売上や粗利と何が違うか
売上が伸びても、手数料と原価で持っていかれれば手元には残りません。粗利(売上から原価を引いた額)も、手数料を含んでいなければ、デリバリーの実態を表しません。
デリバリーで意思決定に使えるのは、手数料まで引いた後の貢献利益です。ここを基準にすると、「この価格でいいのか」「この商品を残すべきか」の判断がぶれなくなります。
私の実例:貢献利益率 約45%
私は自分の店でデリバリーの利益設計をやりきり、貢献利益率約45%を確認しました。食材原価・梱包費・プラットフォーム手数料をすべて差し引いた後の数字です。本業のスタッフが空き時間に対応したため、追加の人件費は発生していません。1注文あたりの追加作業は、実測で5〜10分でした。
この割合で計算すると、次のようになります。
| 1食の価格 | 1食あたりの貢献利益(45%) | 1日30食 | 月(30日) |
|---|---|---|---|
| 1,000円 | 450円 | 13,500円 | 約40.5万円 |
| 1,500円 | 675円 | 20,250円 | 約60万円 |
※貢献利益率45%、追加の家賃・人件費ゼロを前提にした試算です。実際の数字は、価格・原価・手数料の条件によって変わります。
よくある質問
Q. 何%あれば合格ですか?
一律の正解はありません。ただ、「この価格で、この原価と手数料なら、1件でいくら残るのか」を把握できていない状態が一番危険です。まず自店の数字を出すところから始めてください。
Q. 全部のメニューで計算するのは大変です。
まずは注文の多い上位数品だけで十分です。売れ筋の貢献利益が分かれば、全体の姿はかなり見えてきます。
Q. 人を雇ったら、この考え方は使えなくなりますか?
使えます。1件あたりの貢献利益は同じように出し、そこから増えた人件費を別に引いて、最終的に残る額を見ます。「増えた分の貢献利益が、増えた人件費を上回るか」が判断基準です。
まとめ:売上ではなく、残る額で判断する
✅ 貢献利益=売価−食材原価−梱包費−手数料
✅ 梱包費は、容器・フタ・袋・箸・カップまで全部数える
✅ 家賃と人件費は引かない。ただし人を増やしたら別に引く
✅ 売れ筋の数品から計算を始める
この数字が分かると、値付けも、メニューを残すかどうかも、人を増やすかどうかも、感覚ではなく数字で決められるようになります。
∞Deliciousでは、「あなたの店だと1件でいくら残るか」を一緒に計算するところから支援しています。お気軽にご相談ください。
▶ ご相談はこちらhttps://lin.ee/STXP23p
関根和樹(株式会社8Delicious 代表取締役)
17歳から飲食の現場に立ち、飲食店経営とコンサルティングに従事。5年で139名の事業者を支援。自身の店で遊休厨房を使ったデリバリーを実証し、貢献利益率約45%を確認。
主な事業:コンサルティング/飲食業/弁当事業/ケータリング事業/広告運用事業/不動産事業


