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自分の店の厨房でデリバリー専用ブランドを6ヶ月回した収支を、前提ごと全部公開します。月商135万円、貢献利益率41.5%。都合の悪い条件も書きます。

前の記事で、大手支援会社の「月商498万円アップ」を最後まで足したら手残りがいくらになるかを書きました。

人の数字を分解しておいて自分のを出さないのはフェアではないので、うちのデリバリー専用ブランドを6ヶ月回した実数を全部置いておきます。

都合の悪い前提も含めて先に書きます。そのほうが読む側も判断しやすいはずです。

前提を先に全部書く

言い訳を後出ししないために、条件から。

  • 場所:吉祥寺、既存店の厨房(地下1階)
  • 期間:6ヶ月連続稼働
  • 1日30食
  • 客単価:1,500〜2,500円。6ヶ月の実績平均は2,000円
  • 手数料:税込38.5%で計算。税抜35%とは書かない
  • 人:新規は1人も雇っていない
  • 設備:厨房も冷蔵庫も既存。設備投資ゼロ

この記事では、単価1,500円と2,000円の2本立てで出します。1,500円は「低めに見積もってもこうなる」という下限、2,000円は実際に6ヶ月回した実績平均です。上振れだけを見出しにしても意味がないので、両方並べます。

収支(月商135万円/180万円)

月商は、単価 × 30食 × 30日。1,500円なら135万円、2,000円なら180万円です。

項目単価1,500円対売上単価2,000円対売上
売上1,350,000円100%1,800,000円100%
プラットフォーム手数料(税込)−519,750円38.5%−693,000円38.5%
原価−222,750円16.5%−297,000円16.5%
包材(53円/食)−47,700円3.53%−47,700円2.65%
追加人件費0円0%0円0%
追加固定費0円0%0円0%
貢献利益559,800円41.47%762,300円42.35%

単価を上げると、貢献利益率が0.88ポイント上がります。理由は一つで、包材が1食あたり53円の固定費だからです。

手数料も原価も売上に比例して増えますが、容器とカトラリーの値段は中身が1,500円でも2,000円でも変わりません。売上に対する比率だけが下がります。

食数を増やさずに1件を厚くしたほうが利益が残るのは、この一点に尽きます。

「追加人件費ゼロ」の意味

ここは誤魔化さずに書きます。

人件費が0円なのではありません。増えなかっただけです。

デリバリーの注文は、店内が動いていない時間帯に落ちてきます。14時台、17時前、22時以降。もともと給料を払って立たせている時間に、やることが1つ増えただけです。

1注文あたりの追加作業は実測で5〜10分。30食でも、1日あたり2.5〜5時間ぶんの「既に払っている時間」に収まります。

だから1食目から黒字になります。損益分岐点という概念が、そもそも発生しません。ここが、専用スタッフを雇う前提のモデルと決定的に違うところです。

逆に言えば、空き時間がない店ではこの数字は完璧には再現しません。 そこは正直に書いておきます。がそれでもかなり数字は上がります

なぜ「利益率」と書かないか

41.5%も42.35%も、利益率ではありません。貢献利益率です。

家賃も、既存スタッフの給料も、水道光熱費も、この計算には入っていません。それらは店内営業がすでに負担しているので、デリバリーを足しても増えません。増えないものは引かない。それだけの話です。

「利益率41.5%」と書けば、たぶん問い合わせは増えます。でも、それを見て契約した人が決算書を見て「話が違う」と思う瞬間が必ず来ます。その1回で終わる商売はやりたくありません。

もうひとつ。手数料を税抜35%で計算すれば、貢献利益率は45%になります。実際そう書いてある資料は多いです。でも請求されるのは税込38.5%なので、うちは41.5%と書きます。

正直に言うと、私も最初は45%で出していました。人の税抜表記を指摘しておいて、自分も同じ穴に落ちていたわけです。引き直したので、下がったほうの数字を使っています。

再現できる条件・できない条件

再現する

  • 既存の厨房に、手が空く時間帯がある
  • 既存スタッフの手が、その時間に空いている
  • デリバリー用の価格設計を、店頭と分けられる

再現しない

  • ピークが1日中続いている繁盛店(そもそも手が空いていない)
  • 店頭と同じ価格でデリバリーに出している(手数料をそのまま飲むことになる)
  • 専用スタッフを雇う前提で始める(固定費が立った瞬間に、別のモデルになる)

うちの原価率は、デリバリー専用の価格設計をした結果の数字です。店頭価格をそのまま流用すれば30%前後になり、貢献利益率は28%まで落ちます。同じ厨房、同じ商品でも、値付けだけで13ポイント変わります。

数字の正体は、たいてい設計の正体です。

こんな方に向いています

✅ 厨房に手が空く時間帯がある

✅ 追加投資なしで売上を積みたい

✅ 大手支援会社の提案を受けたが、手残りの計算に納得がいっていない

✅ ホテル・旅館・セントラルキッチンなど、稼働率に余白がある厨房を持っている

✅ 前提と数字を全部開示したうえで話を進めたい


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※本記事の数字について

月商・客単価・1注文あたりの作業時間は、自社ブランドを6ヶ月運営した実績にもとづく数値です。手数料は税込38.5%(課税事業者は仕入税額控除により実質35%)で計算しています。原価率・包材費は現在集計中の暫定値で、確定次第この記事を更新します。家賃・既存人件費・水道光熱費は、店内営業がすでに負担しているため計算に含めていません。立地・商圏・空き時間の有無により結果は変動し、成果を保証するものではありません。

関根和樹(株式会社8Delicious 代表取締役)
17歳から飲食の現場に立ち、飲食店経営とコンサルティングに従事。5年で139名の事業者を支援。自身の店で遊休厨房を使ったデリバリーを実証し、貢献利益率約45%を確認。
主な事業:コンサルティング/飲食業/弁当事業/ケータリング事業/広告運用事業/不動産事業

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